230日目!
2013/10/11のレッスンの様子
前までは,"点"で覚える練習形態をとっていました.
日常生活から切り取った5100表現を,どんどん覚えていくという方法でした.
これは私が加入する前に試みられていたそうですが,学習者の方から面白みに欠けるいう意見があり,主体ではなくなりました.
今では,対話練習に入る前の段階として,音のストリームを意識させるという目的で,500表現に絞って練習させています.
次に,"線"で覚える練習形態へと進化しました.
これが今まさにやっているロールプレイングです.
日常の一瞬を切り取った"点"を拡張させ,ひとまとまりの会話をそのまま覚える方法です.
ストーリーが導入されたことで,各"点"に関連性を持たせることが可能となりました.
話自体も面白く,感情移入ができるので,記憶力と練習意欲の向上につながりました.
また,対話形式という特性から,他の学習者とも練習ができるという,新しいサービスも生まれました.
そしてこれからは全く未知の領域に入ろうとしています.
"点","線"と来たのですから,より高次の段階,"面"を習得していかなければなりません.
言語とは,まるでクモの巣の様に縦横無尽に張りめぐり,面的な広がりを持つものです.
クモの糸が多いほど,密なほど,獲物を捉えやすくなります.
ただし,網を張る範囲はとてつもなく巨大な空間となります.
現時点では,その空間にランダムに"線"を引いているにすぎません.
簡単に隙間は埋まりません.
前までの,5100表現をひたすら覚えるという方法が成果を上げられなかったように,ただ単に大量に"線"を覚えればいいというものではありません.
"点"と"点"を繋いだからこそイノベーションが起こったのです.
それならば,"線"と"線"に交わりを持たせるのが良さそうです.
効果的な学習モデルはあるのでしょうか.
今までのような,やることが明確な教材を求めるのには無理があります.
今までこなしてきた教材を元に,自分で新たな要素を付加して練り上げる,創作的な活動の必要性を感じています.
まさにフリートークへの足がかりとなる活動です.
そしてこの考え方を元に,具体的な方向性を考えました.
1つ目.
大量に"線"を引くというのは十分条件ではありませんが必要条件です.
これまでの様に会話形式のスクリプトをどんどん覚えて,知っている表現の絶対数を増やしていきます.
これは今まで通り続けていくべきことです.
2つ目.
"線"に振れ幅を持たせることです.
具体的には,過去のスクリプトを復習し,気に入った箇所を自分でアレンジをすることなどを考えています.
この方法だと,もう引いてある"線"をなぞって途中で分岐させるようなものなので,真っ白な場所に新たに"線"を引くよりは楽です.
3つ目.
"点"を見直すことではないのかと思っています.
重要な結合点となる箇所を忘れてしまっては,例えるなら立体交差のように,"線"と"線"が交わりを持たずに素通りすることになりかねません.
実際にこのような経験があるから心配なのです.
例えば,一生懸命覚えた表現のある一部分を変更して言ってみようとしたとき,急に脳がフリーズしてしまったことが何度もあるのです.
変更というのは,人物の名前,日時,場所,物の名前などの些細なことです.
たったこれだけで思考がストップしてしまう,構造的な弱点があるのは否めません.
本当に重要な表現をピンポイントで何回も形を変えて練習し,強化することが必要です.
立体交差にならないようにインターチェンジを設けたり,あるいは頻繁な交通に耐えられるように車線を増設するのです.
とにかくここだけは死守したいのです.
2つ目と3つ目は密接に関係しています.
本質的には全く同じこととも言えます.
与えられた表現に,自分自身が創作した"個"を練り込み,より理想的な出力に近づけていくのです.
疑似出力からの脱却を目指して頑張っていきたいと思います.